超★小柄な人のMTB (1)
うちの娘氏、弱ペにハマってる頃はロードを欲しがってたので志望高合格したら買っちゃると言ってたんですが。いざ合格するとロード熱も冷めた様子で。こちらとしては高価なロードを買わずに済んだと思ってたんですが。
ここ最近になってにわかに「MTB欲しい」と言い出したワケで。
ま、約束は約束だ。買ってやらないこともないが、ひとつ問題がある。
娘氏の身長、147㎝。ちっさ。
ロードならさほど問題無いんですけどね。MTBはなぁ…
XSサイズならなんとか跨がれる…のか?
主にスタンドオーバーハイト(SOH)的に。
まぁしかし考えてみれば脚の長さがSOHを一定以上超えている…トップチューブをまたいで立った時に股が当たらなくて少し余裕があるのが良い…とされているんですが、実は当の私が愛用しているカラテモンキー、16インチSサイズですがわりと大柄な車体で、まっすぐ跨がると股間にフレームが当たってたりする。
娘氏と同じく私もホビット族の一員で身長163㎝ですが、別段気にせず乗り回してます。身体に比して大柄な車体の方が具合がイイんです。好みの問題。
股打ちする時はするだろうね。その確率はSOHの低い車体に較べて幾分かは高くなってるでしょう。傾斜の途中で停車発進する時などは、傾いて停止してるバイクを引き起こすアクションが余計にかかります。けどまあ、それらリスクを織り込んでも、このサイズが心地よいんだからしょうがない。
ネット巡回すると「29erは背の高い人しか乗れないし重い」的な論が多いですが。実際乗ってみるとそうでもないですよ。ホイール大きいから重くなるかというと、低グレードの部品使ってる車体は相変わらず重いけど高価なマシンは軽いし。総合的に眺めれば26インチ時代とそんなに変わらない。
私の鉄フレームのカラテモンキーなんか見た目デカくて重そうだけど計ってみると10.8㎏。フロントサスペンションを諦めた分、軽い。カーボンフレームのレーシーな29erだと8㎏台なんてのもあったりする。
コンペティションに目を向ければ、私と同じかもっと低い身長のプロライダーが巨大な29er車体を問題無く乗り回してたりする。
ホント、ネットで一家言ある皆さんは主観で語り過ぎなんである。多様な個人が使うモノであるから、話が個人の主観や経験則になるのは当然としてもね。
たまにオーディオ界の波動理論とかEM菌とかみたいに軽く「偽科学」に片足突っ込んじゃってる感あるのでは?と疑っちゃう時もある。
どのホイールサイズもソレはソレ。どれも一長一短ある中で私の好みが29erってこと。つまるところは道具。道具は使いよう。どれが良い悪いではなく、好きな道具を選べることそれ自体が素晴らしいんですよ。
ところで、私はカラテの他に26インチフルサスと29erハードテールを所有しているが、26インチはコクピットが狭いと感じるし、カラテより一回り小さいアルミの29erはよく走ってよく曲がる優等生だが重くて硬いと感じる。
総合的にデカくて軽くて柔らかいカラテモンキーが現状の最適解なのだ。さすがに前後リジッドでは荒れた林道に行くのは辛そうというか危険だから、フルサスとアルミ29erを手放せないんである。要するに、どの子も一長一短。
で、娘氏の乗れそうなMTB話の続き。
やはり26インチホイールの小柄な車体かなと思って色々調べてみると意外とそうでもなくて、最近の29erや650bの方がSOH低めだったりするんですね。26インチ時代が全体的に腰高な造りだったということ。
29erの流行でBBハイトの低さからくる安定感やコクピットの広さがもたらす恩恵を業界が意識するようになったとか、設計思想がロー&ロング指向にシフトしつつあるとか、フレーム製造技術の進歩とか、色々理由があるんでしょうね。
29er…っすか……
下図は29er車体と650b車体の、どちらも女性用XSサイズを粗く合成してみたものである。どちらも乗車は可能だが、29erはトップチューブが股に少し当たる。気にしない人は気にしないかもしれないが、まぁ少数派だろう。あまり良いことではない。
また、BBハイトを低く設計された29erは、ハンドルがかなり高くなる。(それでも画像を引用したFATEはホイールトラベル80mmなので低めの部類)
男性(ユニセックス)用の650b車体だと、こんな感じ。
どちらにせよ、水平に近いライディングポジションを求める場合は、急角度のステムで高さを抑えつつ、ライザーバーを上下裏返してハンドル高を下げてやる必要がある。
あとはクランク長と脚の柔軟性次第でサドル高が微妙に変わるかな、という感じ。
まぁさすがに29erは色々無理がある気がするけどね。
◆追記